75回生 neko
75回生のnekoです。Siv3Dでゲームを作っていこうと思います。
Siv3Dとは、C++のライブラリで、簡単に言えばゲームやツールを作りやすくするものです。
Siv3Dは2012年に初めて公開された比較的新しいライブラリで、グラフィカルでインタラクティブなアプリケーションを作ることができます。
しかし、最近、より実用的でモダンな設計にするために、Siv3Dの開発を終了し、OpenSiv3Dの開発がされているのですが、まだ開発途中で、リファレンスなどが乏しい状況なので、今回はSiv3Dで開発していくことにします。
C++の知識が多少必要ですが、公式Wikiにチュートリアルが載っていますし、C++を学びながらゲームを作ることができます。
短いコードで簡単に書けること。特に当たり判定が非常に楽に実装できることです。
どれだけ短いコードで書けるかというのを公式サイトから引用したものを紹介します。
リスト15.1: oekaki.cpp
#include <Siv3D.hpp> void Main() { Image image(Window::Size(), Palette::White); DynamicTexture texture(image); while (System::Update()) { if (Input::MouseL.pressed) { Line(Mouse::PreviousPos(), Mouse::Pos()).overwrite(image, 8, Palette::Orange); texture.fill(image); } texture.draw(); } }
図15.1: 実際の画面
オレンジ色のペンで絵を描くだけのプログラムですが、これだけで実装できます。
このように短いコードでプログラムを書くことができます。
まず、環境構築ですが、公式wikiに結構分かりやすく書いてあると思うのでそれを見ればできると思います。ちなみに、この部誌ではVisual Studio 2019で開発していこうと思います。
基本的なSiv3Dの仕様について書いていきます。
プログラムは基本的にこのようなコードで書きます
リスト15.2: kihon.cpp
#include <Siv3D.hpp> void Main(){ while (System::Update()){ } }
while(System::Update()){}
の部分が、メインループで、フレーム毎の処理を書きます。フレームは最大60FPSです。
また、座標についてですが、画面の左上がx=0、y=0で、右に行くと、+x、下に行くと+yです。
他にも、図形を作る方法だったり色々あるんですが、これからコードを書くときにある程度の解説を交えつつ書いていくので大丈夫です。詳しくは、公式wikiのチュートリアルを見ればわかります。ただ、C++の知識はある程度ある(for文やif文が分かるくらい)前提で書きます。
作るゲームはいたってシンプルで、右から現れる障害物をジャンプして避けるというゲームです。では、ゲームを実装していきます。
とりあえず、キャラクターのデザインを後回しにして長方形にしておきます。ジャンプの実装ですが、重力を加速度を使って実装するわけではなく、ただの等速運動で実装します。
リスト15.3: jamp.cpp
#include <Siv3D.hpp> void Main() { Point player_pos(100, 300); //プレイヤーの座標の変数 bool Canfly = 1;//飛べるかどうか while (System::Update()) { //spaceキーが押されていてかつ、Canflyがtrueであればプレイヤーのy座標を30下げる(上に30上げる) if (Input::KeySpace.pressed && Canfly) { player_pos.y -= 30; } //プレイヤーのジャンプが上限(この場合100)になった、またはスペースキーが離されたらCanflyをfalseにする。 if (player_pos.y < 100 || Input::KeySpace.released) { Canfly = 0; } //地面についたらCanflyをtrueにする。 if (player_pos.y >= 300) { Canfly = 1; } //重力 if (player_pos.y < 300) { player_pos.y += 15; } Rect(player_pos, 100, 50).draw(); //プレイヤー描画 Line(0, 350, 640, 350).draw(); //地面描画 } }
「プレイヤーのジャンプが上限(この場合100)になった、またはスペースキーが離されたらCanflyをfalseにする」というのは、二段ジャンプを防ぐためです。
これで、とりあえず長方形がジャンプするプログラムはできあがりました。
敵をまず、Arrayを使って管理します。そして、画面外右で敵を生成して、画面外左で敵を消します。
先程書いたコードの説明は省きます。
リスト15.4: enemy.cpp
#include <Siv3D.hpp> void Main() { Point player_pos(100, 300); bool Canfly = 1; Array<Rect> enemies;//敵を管理するもの Rect destroy(-500, 100, 10, 1000);//ここに当たったら敵を消す。 int32 frame_record = 1; while (System::Update()) { //60~120のランダムな間隔で敵を生成 if (frame_record == System::FrameCount()) { enemies.emplace_back(1200, 300,50,50); frame_record += Random(60,120); } //敵を動かす for (auto it = enemies.begin(); it != enemies.end(); it++) { it->moveBy(-20,0); } //プレイヤーの処理 if (Input::KeySpace.pressed && Canfly) { player_pos.y -= 30; } if (player_pos.y < 100 || Input::KeySpace.released) { Canfly = 0; } if (player_pos.y >= 300) { Canfly = 1; } if (player_pos.y < 300) { player_pos.y += 15; } //画面外左に行ったら敵を削除 for (auto it = enemies.begin(); it != enemies.end(); it++) { if (it->intersects(destroy)) { enemies.erase(it); break;//ここないとバグる } } //描画 Rect(player_pos, 100, 50).draw(); Line(0, 350, 640, 350).draw(); //敵描画 for (auto& x : enemies) { x.draw(); } } }
あとは、プレイヤーと敵のデザインと当たり判定を実装するだけです。これらは、この部誌で解説する必要がないと思う(自分で作ってみてほしい)ので説明しません。
どんな人が、この文章を読んでいるかわかりませんが、Siv3Dおもしろそうだなぁと思ったり、ちょっとゲームを作ってみたくなったと思ったら是非自分でSiv3Dを入れて、ゲームを作ってみてください。そして、ここまで読んでくれてありがとうございました。